・三日坊主の人
・行動できない自分を責めてしまう人
「どうして私は、いつも三日坊主なんだろう」
「口ばかりで、行動できない自分が嫌だ…」
そうやって自分を責めていませんか? 意志が弱い自分、続けることができない自分は、周りの人より劣っていると感じてしまう。私もそうでした。
でも、安心してください。それは、あなたの意志が弱いせいではありません。脳の仕組みが原因だったのです。
今回紹介する菅原道仁さんの著書『すぐやる脳』を読めば、その理由がわかります。そして、脳の仕組みを味方につけて、行動できる自分に変わるヒントが見つかります。
・脳の仕組み
・行動できるようになる唯一の方法
脳は「怠け者」の司令官だった
私たちは、脳がやる気に満ちた「働き者の司令官」だと思いがちです。しかし、信じがたいかもしれませんが、脳は非常に怠惰で、流されやすく、誘惑に弱い生き物なのです。
その理由は、生物学的な特性にあります。人間の脳は、1日に必要なエネルギーの約20%を消費する、燃費の悪い臓器です。生命を維持するためには、できるだけエネルギーを節約するのが正しい状態。だから、脳は新しい挑戦やいつもと違うことを避け、できるだけルーティンを好むようにできているのです。
さらに、脳には「バンドワゴン効果」というクセがあり、「みんなと一緒」の状態が大好き。周りがやらないなら「私もしたくない」と感じてしまいます。
つまり、いくら「行動すべき」だと頭でわかっていても、脳にとっては「仕事を拒むこと」が仕事。余計なエネルギーを使わないための、脳の正当な判断だったのです。この事実を知ったとき、私は少しだけ気持ちが楽になりました。
ドーパミンをコントロールして「やりたがる脳」に変える
それでも、行動できる自分になりたい。そのために本書が提案しているのが、快楽物質「ドーパミン」を利用する「ドーパミン・コントロール」です。
ドーパミンは、脳内報酬と呼ばれる神経伝達物質で、幸福感ややる気を与えてくれる依存性のある物質です。このドーパミンを3つのステップでコントロールし、行動を習慣化するサイクルを作り出します。
- 自己暗示をかける
- スモールステップに分ける
- ドーパミンを分泌させる
各ステップの詳細はぜひ本書で確認してほしいのですが、重要なのは、このサイクルを何度も繰り返すことで、脳が「行動すること」を「嬉しいこと」だと認識するように変わっていくことです。
自分への「レッテル貼り」をやめる
「どうせ私なんて、三日坊主だから」 「私って、行動するまでに時間がかかるのよね」
あなたは、そんなふうに自分にネガティブなレッテルを貼っていませんか?
実は、自分で作り出した思い込みが、行動を阻む原因になります。深く考えるより、レッテルを貼った方が脳はラクだと感じるそうですが、それは自分で自分の可能性を狭めてしまう行為です。
かくいう私も、「私って3日坊主どころか2日坊主になっちゃう!」と自分を評価していました。でも、この本を読んでから自分で貼っていたレッテルに気付き、「行動する」ハードルを下げることができました。
自分の「決断」で脳が喜ぶ
今日の夜ご飯、デートで着ていく服、プレゼンの内容…。「決める」べきことは日常にたくさんありますよね。
決断を先延ばしにすると、なぜかモヤモヤした気持ちになります。それは、脳にとって「決める」ことが一つの仕事だからです。仕事が終わるまでは、不安や心配を抱えやすい状態が続くのです。
逆に言えば、「決める」という行為が完了したとき、脳は「仕事が終わった!」と喜んでくれます。
そう、「決める」ことは「嬉しい」ことなのです!
何か迷ったとき、「決めることは脳が喜ぶこと」と考えると、少しだけ気分が軽くなり、決断しやすくなります。家族や友人とこの話を共有すれば、「早く決めちゃえば脳が喜ぶよ!」なんて、お互いに楽しく決断を促し合うこともできるのでおすすめです。
自分を低く評価することはお門違い!
これまで、「続けられない自分」を情けなく感じ、自分を責めてきました。でも、それは脳の仕組みが原因だったと知って、気持ちがとても楽になりました。
そして、この仕組みを活かした結果、今まで2日でやめていた筋トレを、3ヶ月以上続けることができています(2025年6月~)。
この本は、本を読むのが苦手な方にもおすすめです。
- 各章が短い:短い章で約20ページ、長い章でも約40ページほど。気になる部分だけをサッと読めます。
- 結論が端的:節から章単位で完結しているので、飽きる前に結論まで知ることができます。
専門的な内容も素人でもわかりやすく書かれているので、「行動できない自分を変えたい」と思っている方は、ぜひ手に取ってみてください。きっと、自分を責める気持ちが軽くなり、行動への一歩を踏み出せるはずです。
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